歴史はお金になる
歴史はお金になる。
歴史はお金になる。
この言葉を聞いて「ホントに??」と怪しむ人も多いでしょう。
実際、歴史がお金になると聞いても、意味がわからないと匙を投げるか、歴史関係の書籍を販売するかのどちらかで考える人がほとんどでしょう。
確かにそんな側面もあります。
ですが、ここで考えてみてください。
歴史とはなんでしょうか?
単なる学校の日本史や世界史の教科だけが歴史なのでしょうか?
大学や高校、中学校小学校。
それらのどの段階であっても、歴史は他の教科に比べて劣ったものとして、この日本では扱われています。
日本は、世界一の歴史を誇る王朝、天皇家を有している国家です。
しかし、最近では多くなったとはいえ、そのことを知る人は実に少ない。
歴史という教科は、他の教科に比べ下に位置付けられています。
このことは、大学・高校入試の教科などをみても明らかでしょう。
これらの入試において、歴史という教科の配分はいかにも少ない。
高校の授業で歴史を学んだことがない、という人もいるでしょう。
国語力や算数・数学、英語。
この三教科は、どの学年、どの学校であっても重要なものとして扱われます。
何故か?
お金になるからです。
国語力は、文章を作り文章を読み取るのに必須能力です。
算数・数学なら、日常生活からプランニング、資料作り、建築から給与計算まで、広い分野で使用されます。
英語は、国際社会と言われる、インターネットで世界が狭まった現代では必須と言ってもいいでしょう。
しかし、ここに歴史は含まれていません。
何故か?
お金にならない分野だと思われているからです。
誰しもがお金にならないと考えているからこそ、日本では歴史を主要教科とはされません。
教科書の編纂すら、あっさりと行われます。
他国ではあり得ません。
歴史的な新発見によって、教科書が編纂されることはままあります。
しかし、日本ではそれ以外の事情で歴史が編纂されることが起こっていました。
日本という国で、歴史が重要視されていなかったからです。
歴史という教科は、一見、お金になりません。
歴史の教科書や書籍を販売するか、博物館や歴史の調査員として役所などに勤める。
もしくは、奇特な企業や資本家などから資金を融通してもらうかくらいしかありません。
「歴史がお金になるなんてあり得ない…」
そう思われる気持ちも十分に理解できます。
ですが、本当にそうでしょうか?
インターネットで【歴史】と検索すれば、検索件数は山のように尽きることがありません。
何故でしょうか?
誰しもが無給無償の奉仕や趣味で、ネット上に上げているのでしょうか?
いいえ、違います。
『歴史がお金になるからです。』
歴史がお金になるからこそ、大勢の人がそれを語るのです。
具体的な例をいくつかあげてみましょう。
【観光業】
歴史遺産をめぐる旅
織○信○も浸かった温泉
星の歴史が築き上げた絶景
など、他にも挙げられるものはありますが、観光業において歴史は重要なキーアイテムと言えるでしょう。
【広告収入】
歴史を彩り深く描くことで、サイトを巡回してもらい、広告収入を稼ぐという方法です。
これはインターネット上の多くのサイトで見られる手法でしょう。
歴史は雑学として扱われてしまっていますが、見たい、知りたいという方は多いです。
お茶にこだわる方は、お茶の歴史にも詳しいでしょう。
お酒にこだわる方は、お酒の歴史を多く知るでしょう。
戦略について学ぶ方は、それらが実際に使われた時代について詳しいかもしれません。
本来、それらの歴史はこだわりには何の関係もないはずです。
お茶の味へのこだわりとお茶の歴史は無関係でしょう。
お酒の味にも関係ないでしょう。
しかし、こだわる方は、それらの知識も持っていることが多いです。
何故でしょうか?
これははっきりとは、私にも分かりません。
しかし、それがこだわりなのではないかと、私は思っています。
好きなもののことは、その歴史についても知る。
それがこだわりなのでしょう。
好きな人の子どもの頃を知りたくなるように、好きなゲームの過去編をやってみたくなるように。
【会社経営】
経営といえば歴史でしょう、ともいえる分野だと思います。
過去の王族貴族武士商人、様々な人の失敗談や成功秘話から、経営戦略なる分野は築き上げられています。
もちろん、現代では経営戦略などは一分野として存在していますので、それを含めたものではお金になるとは、いえないでしょう。
しかし、会社経営とは、経営戦略のみで成り立っているものではありません。
資本の分配と集中だけでなく、人間関係にも及びます。
歴史には、多くの成功談と失敗談があります。
全てを現代に当てはめることはできませんが、これらは人間が築いてきたものに間違いありません。
リスクヘッジや人脈作り、アイディアの発掘まで、歴史からは多くの成功と失敗を学べます。
歴史を学ぶことは、多くのスキルを磨くことにもなるのです。
例えば、江戸時代の商売。
髪売り、油売り、握り寿司、人糞買取、酒屋、古着屋、古紙買取などこれらだけでなく、多くの商売がありました。
それらを調べてみるだけでも、商売のアイディアに繋がるものはあるでしょう。
このことは十分にお金になると言えるのではないでしょうか?
【漫画・アニメ・ライトノベル・小説・演劇・舞台・ドラマ】
メディア系一覧、といった模様ですが、これらも歴史がお金を生むという具体例の一つでしょう。
大河ドラマの視聴率の高さは皆さんも知るところではないかなと思います。
変わったところでは、【鉱物資源探索】【気象調査】などというものもあります。
日本人の皆さんなら、草薙の剣を知っている方は多いですよね?
この草薙の剣の逸話を思い出した学者さんが、出雲の土地で、モリブデンを発見しています。
「草薙の剣は、他の鉄剣にはない成分が含まれていたからこそ、強かったのではないか?」
と、考えたからだそうです。
面白いですよね?
実際にモリブデンという物質が発見されたのだから尚のことでしょう。
気象調査では、特に、地震予報についてが有名でしょう。
戦国時代にも、地震は多く起きていて、それによって亡くなられ武将の方もいらっしゃいます。
大雨や雹などの記録や津波の記録も、歴史の資料には多く描かれています。
大雨で城が沈み、川の流れが大きく変わった美濃での逸話。
家より大きな雹が降ってきた逸話、大揺れの後の津波で村がなくなった逸話など、気象予報に関係する歴史もあるのです。
歴史は、お金にならない無駄なものではありません。
歴史こそお金になる、お金にしていくべき分野だと思います。
自分史作りが流行った時期もありましたが、厳密には、歴史とは日常そのもののことを指します。
今この瞬間より前は、全てが歴史なのです。
外国の人は、学校で歴史をしっかりと習います。
外国の人とお話しする時、最初の話題はなんでしょうか?
仕事の話ですか?
テレビ番組の話ですか?
ファッションの話ですか?
そういう場合もあるでしょう。
ですが、ほとんどの方々は、お国の話題だと思います。
イギリスの方には、食事やロンドンの話を聞くでしょう。
イスラム圏の方には、食事制限のことやお祈りのことを聞くかもしれませんし、シンガポールの方には、法律のことを聞くでしょう。
では、日本人に外国の方が聞くのはなんでしょうか?
忍者でしょうか?
武士でしょうか?
あるいは俳句についてかもしれません。
ですが、これらについて聞かれたとき、貴方はどのように答えるでしょうか?
「忍者?現代にはいないよ。」
「武士?切腹?昔の人はやってたみたいだね。」
「俳句?なにそれ?575…あぁ、そんなのもあったね。」
現代にはいないものを、いない、とだけいってしまうのは簡単かもしれません。
ですが、それはコミュニケーションではありません。
歴史を知えば、外国の方とも話題が広がります。
相手の国の歴史に詳しければ、話題だけでなく、自分に興味を持ってくれているのだと考えてくれるかもしれません。
少なくとも、仲良くなり手段に事欠かないでしょう。
これもまた、お金に繋がることではないでしょうか?
英語や数学、国語が無駄なものだとは言いません。
それらも必要不可欠なものです。
しかし、だからといって歴史を蔑ろにしては、国語も英語もコミュニケーションツールとしての要を成しません。
話す技術がいくら豊富だろうとも、話す話題がなければ話は続かないのです。
だからこそ、歴史は大切ですし、歴史はお金に繋がる。
そう、歴史はお金になるのです。